ストレスに対する対処法【疲労を数値化する②】
こんにちは!
前回の記事では、なぜムリをするのか、なぜストレスを溜め込むのか、と言うことについて、自分の経験を語っていきました。
今回は、ストレスを溜め込まず、ケアするために自分が行っていることを、いくつか紹介します。
今回紹介する方法は、大きく分けて、日常的な突発性のストレスに対する対応と、予定されているストレスへの対応に分けられるので、それぞれ順番に説明します。
日常的なストレスに対する対処法
①エモーショナル・スケーリング
日常の中にはストレスを感じるタイミングが多くあります。
「勉強をしていたら、コーヒーをこぼしてしまい、書いていたノートがぐちゃぐちゃになった。」
「課長に呼び出され、自分の担当でない業務を急に押し付けられた。」
「電車が遅延して、いつもよりも帰宅が1時間遅くなってしまった。」
これらのストレスを点数化することを、「エモーショナル・スケーリング」といい、感情をデータ化することで、ストレスを客観視するための方法です。
具体的な方法は以下の通りです。
1. 過去に経験した最も大きなストレスを一つあげ、10点満点の点数をつけておく。
2. 何かストレスを感じたら、そのストレスを10点満点中何点か評価する。
たったこれだけです。
これは単純に、ストレスを物差しで測ってみて、客観的に見ているだけですが、このように客観視することが重要になります。
人はストレスがかかっている状態だと冷静な判断ができなくなってしまいます。
そのため、実際のストレス値よりも大きな反応をしてしまい、しんどくなることが多々あります。
エモーショナル・スケーリングを行うと、自分が今どれくらいのストレスを受けているのかを客観的に確認することができるようになるため、そういった過剰反応を抑える効果が期待できます。
また、このスケーリングで8点や9点が出たら、相当大きなストレスがかかっていると理解することもできます。
この場合は、自分を守るために自分のストレスを下げる行動をしましょう。
あまりにも大きなストレスがずっとかかっていることは自分を壊してしまいます。
こういった方法は「マンガでわかる自己肯定感」で知ることができます。
自己肯定感を高めたい方にはおすすめの本です。
②事前に決めておいたストレス解消行動を実行する
次に、スケーリングしたストレス点が8~9点を出した場合の時を考えます。
自分を守るために、自分のストレスを下げる行動をすることは先ほどお話ししました。
ですが、ストレスが強くかかっているときに、何をしようか悩んでしまうと、選択するための意志力(ウィルパワー)を使用するので、さらにストレスがかかってしまいます。
また、2倍モードや3倍モードに入っている場合は、簡単に自分に優しい行動をすることができなくなっています。
(2倍モードや3倍モードについては前記事参照)
そこで、事前に、ストレスがたまった時に行う行動を決めておくことが重要です。
状況に応じてストレス解消を実行できるように、ストレス解消行動はいくつか用意しておくことをお勧めします。
そのストレス解消行動について、優先順位をつけておけば、実行時に悩むことはありません。
私の場合は、以下のように行動を決めていました。
- 行きつけの居酒屋に1人で行く
- 友達や同僚と話す
- コーラなど、冷たい炭酸飲料を買って、飲んで休憩する
- 料理をする
- 業務中などで上のことができないときは、少しだけその場で目を瞑る
これらを設定した上で、例えば仕事中に大きなストレスに見舞われた場合は、自販機にコーラを買いに行き、自分の席に戻らずに休憩所で少しだけコーラを飲んでから、戻るようにしていました。
そして、仕事が終わった後もそのストレスが解消されない場合は、行きつけの居酒屋に1人で行くか、同僚を誘ってご飯を食べたりしていました。
大したことはしていないように思いますが、大きなストレスがかかっているときは効果がありました。
大切なのは、何をするか「決めておく」ことです。
決めておくことで、実行までのハードルを下げることができ、スムーズにストレス解消を行うことができるからです。
予測できるストレスに対する対処法
次に、予測できるストレスに対する対処法をお話しします。
例えば、自分や家族が受験生の場合、12月~3月にはかなりのストレスがかかりますよね。
また、仕事に繁忙期がある方なら、その繁忙期には強いストレスがかかりますよね。
そういった予測できるストレスが重ならないように調整するための方法を以下に説明します。
①起こりうるライフイベントのストレス値を知る
まずは起こりうるライフイベントのストレスを知りましょう。
各ライフイベントによりかかるストレスを100点満点で点数付けをします。
これはホームズとレイが考案したライフイベント法というものになります。
点数付の詳細はこちらのリンクに記載されています。
(ライフイベント法とストレス度測定 : https://www.niph.go.jp/journal/data/42-3/199342030005.pdf)
この点数が300点を超えると、心身に何か影響をきたす可能性が非常に高くなると言われております。
この表が作成されたのは、1967年のため、今の時代にそぐわない箇所が多くあるかと思います。
そこで、この表にないものは、表を参考に、ご自身で決められることが良いと思います。
ここで注意すべきなのは、「クリスマス」や「結婚」、「休暇」などのように一見するとストレスを解消する楽しいイベントについても、ストレッサーになると言うことです。
テンションを上げるイベントは楽しいですが、テンションを上げるために心理的には負荷がかかっている状態になります。
特に結婚のように人生の大きな転換期にはさまざまなストレスに見舞われることになるでしょう。
そういった楽しいイベントも含めて得点化することが重要なのです。
②ライフイベントをカレンダーに書き込む
次に、起こりうるライフイベントについて、カレンダーに書き込んでいきましょう。
「引越し」「子供が高校へ進学」「転職」「繁忙期」「旅行」「介護」「結婚」「ライブ」「海外旅行」等書き込んでいってください。
そして、それぞれの点数をカレンダーに同様に書き込む。
すると、その時期の合計得点が計算できます。
その中で、異常に高い時期がある場合は対策が必要だと理解できます。
③ライフイベントを調節する
例えば、12月に息子の大学入試のサポートと親の介護、業務の繁忙期、クリスマスが重なっていたとします。
その場合、この時期には大きなストレスがかかることが予想されますので、その中で予定をずらせるものがないか、他人に頼れるものがないかを考えます。
この中であれば、親の介護についてヘルパーを活用する、クリスマスや正月の準備は宅配で済ませる、などです。
このように決めておけば、自分に過剰なストレスがかかることを避けられる上に、自分が対応すべき、重要なイベントに真摯に向き合えます。
息子のことが大事な人であれば、息子のサポートを第一に行いたいでしょうし、仕事が大事な人は、繁忙期に周囲に迷惑をかけることもなくなります。
ライフイベント法を用いることで、人生の質を高め、健康に日々を過ごす確率を上げてくれます。
より具体的に得点付の方法について知りたい方は、「自衛隊メンタル教官が教える 心の疲れを取る技術」をぜひご覧になってください。
ストレッサーに対する反応
また、上で紹介した論文に記載されておりますが、ストレスを与える要素のことを「ストレッサー」と言います。
ストレッサーに対し、身体は「ストレス反応」を起こすことで、ストレスに対抗します。
このストレス反応は人によって大きさが異なるので、ストレスに強い、弱いが現れます。
このストレスに対する対処について、「HAPPY STRESS」という本では脳科学的に論じています。
またその話も今後、詳しく記していこうと思います。
いかがだったでしょうか。
これらを実践することで、不安の軽減が見られると嬉しく思います!