世界に対する考え方を変えれば、生きやすくなるかもしれない

 

私は、大学院生の時、非常に偏ったものの見方をしていたせいで、非常に人生を生きづらく感じており、生きている意味があるのか本当に悩んでいました。

 

今となっては色々と考え方を変えることで、だいぶ安定した人生を送れています。

 

 

ではどうやったら生きやすくなるのか。

考え方や行動を変えることが私には必要だったのですが、今回は考え方のうちの一つ、世界や常識対する捉え方についてお話をしていきます。

世界や常識に対する考え方を変えると、生きやすくなりました。

 

そんなこと言っても「世界に対する考え方ってなんだよ!」、「世界は世界でしょ?」という人も多いと思います。

 

ここでいう世界とは、あなたが生活する中で関係すると思う人の範囲のことで、主観的なものだと考えてください。

視野と言っても良いでしょう。

 

私は、この世界の範囲があまりに狭く、生きづらいと感じていました。

また、コミュニケーションに差が生まれたり、自分の可能性を誤って認識している人の多くも、この世界の捉え方が甘いのではないかと考えています。

 

いかに自分の考えを記載しましたので、ぜひ興味のあるところをご覧になってみてください。

 

 

世界の捉え方は人によって違う

そもそも私たちが見ている世界は同じではない

そもそも、私たちが見ている世界の姿は人によって異なります。

これは、人に骨格や容姿、肌の色など個性があるように、私たちが世界を認識する感覚器にも個性があるために起こります。

 

人間は世界を認識するために、眼から入ってくる光情報を、鼻や舌に入る化学物質を、皮膚や耳に伝わる物理刺激を、検知しています。

この検知した情報を、脳に伝えて、世界の様子を認識しています。

 

この眼や鼻、舌、耳、皮膚の感覚は人によって個性があります。

鼻が効く人や、高い音が聞こえない人、味覚が繊細な人など色々な人がいますよね。

眼でも眼を構成する視細胞が検知する光の波長には個性があり、人によって色の見え方が多少は異なると言われています。

 

 

このように考えると、私たちが認識している世界というのが、人によって違うことを納得いただけるのではないでしょうか。

 

世界の捉え方は考え方によっても変わる

世界中が繋がっているという抽象的な考え方

さらに、人の考える世界は経験してきた出来事や学習、趣味などによって変わります。

 

君たちはどう生きるか」の中で、このことを伝える描写があります。

 

 

 

主人公のコペル君は銀座の7階建のデパートの屋上から外を眺めていました。

コペル君は道路や家々を眺めて、とても多くの人が自分とは関係ないところで思い思いに行動しているのを見て、「人間て、まあ、水の分子みたいなものだねぇ。」と叔父さんに話しかけています。

 

分子は、物質を構成する最小単位のことです。

 

つまり、世界を海に見立てた場合、水の分子が海を構成するのと同じように、一人一人の人間が世界を構成しているんだ、と考えているということです。

これをコペル君は「人間分子の関係」といっています。

 

さらに、自分が知らない多くの人間が関係しあって、今の世界が構成されていると認識します。

 

例えば、皆さんがスーパーで小麦粉を購入することを考えると、スーパーの店員さんがいないと小麦粉が店頭に並び、購入することはできなかったでしょう。

このスーパーの店員さんは、小麦粉を小麦粉卸業者から購入しなければ、店頭に並べることができなかったでしょう。

さらに、小麦粉卸業者はパイロットが飛行機を動かして、外国から小麦粉を運送してもらわないと、小麦粉を国内で売ることができなかったでしょう。

小麦粉がアメリカ産の場合、アメリカの生産者の方が小麦を生産していなかったら、パイロットはアメリカから小麦粉を運ぶこともできなかったでしょう。

 

これを考えると、自分の手元に小麦粉が届き、料理に使用できるのは、世界中の人が自分の知らないところで生きて活動してくれているからです。

 

これは翻って考えると、あなたが小麦粉を購入しないと、それらの人の仕事は意味をなさなくなってしまいます。

 

このように、人間は分子であり、それぞれが関係しあって生きることで世界を構築している、とコペル君は気付きます。

そして、これを「人間分子の関係 網目の法則」といっています。

 

生きて活動すると、必ず周りに影響を与えるのが今の世界なんです。

 

これは、マルクスの「資本論」における「生産関係」につながる概念らしいのですが、難しい話は置いておいて、次の話に行きましょう。

(興味がある方はご自身で調べて見てください。)

 

 

 

この理論は、現代に置いてはさらに実感できるでしょう。

 

インターネットやSNSによって、世界中の情報にアクセスすることが容易になり、飛行機による移動も、昔に比べてかなり低コストになりました。

 

 

自分中心の偏った考え方

しかし、人間というのはどうしても、自分中心の概念を持ってしまうものです。

これには、個人的な原因と環境的な要因があります。

 

個人的な要因とは、各自のこれまでの経験や行動に伴い、バイアス(偏見)が形成されるために起こります。

人は少なかれ、自分中心に物事を捉えてしまう癖があります。

 

子供をイメージするとよくわかるのではないでしょうか。

経験や知識が乏しいために、世界の中の自分という考え方で動くことはなかなかありません。

 

これは大人になるとある程度解消されますが、自分のことを完全に客観的に見れる人はあまり多くないでしょう。

 

自分が嫌いな人に対して、皆に平等に接することは難しいでしょう。

自分が頑張った成果に関して、どうしても他人よりも贔屓目になってしまうこともあるでしょう。

自分の子供が周りよりも圧倒的に可愛いと感じることもあるでしょう。

 

こういった個人的なバイアスは誰にでもあります。

逆にいうとそれこそが個性です。

 

また、環境的な要因でバイアスが形成されることも多々あります。

 

キリスト教を信仰する家系に生まれ、幼少期から日曜日には教会に行っていた場合、それがその人の常識になります。

その方にとっては、日曜日に教会に行き、祈りを捧げることは何よりも重要であると考えるかもしれません。

 

しかし、結婚した相手が何も宗教を信仰していない場合、そういった考えは理解できないでしょう。

このように自分が置かれた環境によって、個人の世界観は大きく変わります。

 

 

「常識」が他人への理解を難しくする

ここまで、人が捉えている世界というのは人それぞれ異なるということをお話ししてきました。

 

そもそも身体的に感じている世界というのは人それぞれ多少異なっている。

その上、自分の行動や経験、知識などによって各人には異なる世界が見えています。

 

そして、この違いを共有できなくする言葉が「常識」や「普通」といった考え方です。

 

日常生活においても「常識的に考えたら、そんなことしないと思うんだけど。」や「普通に考えてこうするでしょ。」などと使ってしまうと思います。

 

しかし、この自分が考えている「常識」は、必ず他の人の「常識」とは違います。

 

このことを理解できずに生活していると、自分の考えが相手に伝わらなくてイライラしたり、相手の「常識」が理解できず落ち込んでしまうことがあります。

 

「人間分子の関係 網目の法則」の通り、人と人は関わり合わなければ生きていくことはできません。

そのため、自分が考えている「常識」は相手と異なる、という固定観念を捨てて、他人と関わることが他者と関わり、良好な関係を築く上で非常に重要だと思います。

 

どうしたら生きやすくなるのか?

今あなたが生きづらいと感じているのであれば、この「常識」についての考え方を変えることをお勧めいたします。

 

そのために最も良い方法はコペル君が行ったように、自分の世界に対する捉え方を広げることです。

「人間分子の関係 網目の法則」の通り、人はそれぞれ関係しあって生きています。

 

しかし、現在生きづらいと考えているあなたは、何によってそのように感じたのでしょうか。

 

人が人と関わり合って生きていく際に、あなたや周りの人が持つ「常識」が、あなたを苦しめているからこそ、生きづらいと感じたのではないでしょうか。

 

あなたは必要ない人間なんだと、感じてしまったのではないでしょうか。

 

ただ、あなたはもっと広い世界に生きています。

あなたがその広い世界を認識し、受け入れることは自分の心の安定につながります。

そして、あなたの「常識」を柔軟なものにしてくれます。

 

また、広い世界の中には、必ずあなたを受け入れてくれる人がいます。

その方々とまだあなたは会っていないだけです。

 

世界に対する捉え方を変えて、自分にとって良い環境を受け入れましょう。

 

人の役に立てない時

それでも、「自分は人の役に立てる能力もないし、人に迷惑をかけてばっかりだから、受け入れてくれる人なんていないのではないか。」と考えてしまうこともあるかと思います。

私も大学院生の時に、実験の結果が出なくて、周りの人にあたり、周りの人が離れて行った時には、そう感じていた時もありました。

 

ですが、「役に立つ」というのは人それぞれ考え方が違います。

あなたの「常識」の範囲内で「役に立っていない」だけであって、あなたの考えている「常識」とは全く別の考え方で動いている人も世界には大勢います。

 

その方々からすると、あなたがいることがとても嬉しく、役に立っていると感じているかもしれません。

 

私の大好きな漫画に「夜廻り猫」があるのですが、その3巻の216話は、耳が聞こえず、脳に病気のある猫を拾う話になっています。

 

何も障害のない猫の方がおそらく育てやすいでしょう。

普通の猫と過ごすような時間は過ごせないでしょう。

 

しかし、その飼い主は「生きているだけでいいんだって、この子が教えてくれる。」と語っています。

 

「夜廻り猫」は他の話も素晴らしいので、ぜひ読んでみてください。

 

 

個人的おすすめは3巻です。

 

 

 

この話のように、どのように「役に立つ」かは、受け取る側がどのように考えるか次第なのです。

 

だからこそ、あなたはできるだけ自分が影響を与えられる範囲に集中することが大切です。

自分の世界を広げ、自分のやりたいことをしていくことこそが、人生を過ごしやすくしてくれると私は考えています。

 

人の役に立つことは「自己有用感」を高めますが、この自己有用感は身の回りの良いことを探すことでも高めることができます。

これについてはまた別の記事でお話ししましょう。

 

 

 

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

広い世界観を得るには本は絶好の教材です。

「夜廻り猫」は漫画で読みやすいので、興味がある方はぜひ1巻を手に取ってみてください。