【医学部学士編入】志望理由書の書き方

医学部学士編入の際の経験を踏まえて、医学部学士編入の志望理由書を書く際のポイントをいかにまとめました。

今回は文章の書き方についてまとめているので、医学部学士編入試験に限らず、あらゆる志望理由書に応用できる話だと考えております。

 

【文章を書くときの考え方】

【文章の書き方】

 

 

 

【文書を書く時の考え方】

①「読ませない」文章を書く

 ビジネス文書などは「相手が情報伝達のために仕方なく読んでいる文章」という意識を持ちましょう。人によって必要な情報は異なるので、どのように整理された文章でも不要な情報が入るものです。そのため、極力読ませずに理解してもらえる文章を心がけるべきです。とはいえ、志望理由書などのフォーマットの定まった文書でできることは限られています。その中で重要なことは一読で文章を理解してもらえる文章を書くことです。そのために重要なポイントは「理解しやすい文構造で」「わかりやすい表現を用いて」「文章を簡潔に書く」ことです。理路整然と書かれた文章は読まなくても知性を感じ取ることができます。その水準を目指しましょう。

 

【文書の書き方】

①文章(志望理由書)の文頭には重要な情報をまとめて書く

 文章の文頭は全ての人が読む場所です。そこに文章で重要な情報を具体的に簡潔に記載することで、読者はメンタルモデル(その文章に対するイメージ)を作ることができます。これにより、読者は素早く文章全体の内容を理解することができるようになります。文頭の1文は大学が提示している設問に回答する形になっていると、読み手としても理解しやすくなるでしょう。志望理由書はビジネス文書の一種なので、結論ファーストが求められるのです。

②段落1つにトピックは1つ

 段落ごとに伝えたいトピックを1つに定めるようにしましょう。志望理由書では主に「医師を志すようになった経緯」「ご自身の強み」「強みをどのように医療に活かすか」「どのような医師になりたいのか」などのトピックが必要になるでしょう。大学側の設問やご自身の経歴により、この内容や重みは変化します。これらのトピックが同じ段落内に混在していると、読者はその段落で言いたいことが読み取りにくくなります。段落が長すぎる場合は下位概念を用いて段落を分けましょう。例としては、自身の強みを記載する時に、強みが複数あるのなら、その強みごとに段落を分ける、ということが挙げられます。

(※正確には「段落」ではなく、「パラグラフ」と記載するべきですが、わかりやすくするために変更しております。)

 

③段落の始めはそのトピックの要約文を書く

 段落の始めの文ではそのトピックの要約文を簡潔に記載しましょう。①と同じ理由で、読者がメンタルモデルを作りやすくなります。ただし、最大文字数が小さい場合などは、全ての段落でこれを行うのが難しい場合もあります。臨機応変に対応しましょう。ただし、①は厳守すべきなので注意しましょう。①~③がうまく行えている文章は、各段落の1~2文目をつないで読めば、全体の意味がわかるようになっています。

 

④専門性の高いものほど、丁寧に記載する(無理なら記載しない)

 文章で説明が必要なものはこれまでに出てきた情報と合わせて記載しましょう。未知の情報が溢れた文章は読者にとって非常にストレスになります。一般の人が知らないような専門性の高い言葉は丁寧に説明するようにしましょう。ただし、読み手がどのような人かを意識することは非常に重要です。医学部学士編入試験であれば、面接官はおそらく医学部の教授等、医学に精通している方々でしょう。そのため、医療に関係することに関して、懇切丁寧に記載することは、逆に冗長だと感じさせてしまう可能性もあるので、読み手を意識した記載を心がけると良いでしょう。

 

⑤1つの文章では1つのポイントだけを述べる

 1つの文章では1つのポイントだけを述べ、簡潔で読みやすい文章の作成を心がけましょう。1つの文章に複数のポイントが存在すると、何が言いたいのかはっきりしなくなり、文章も長くなってしまいます。ポイントは不要な接続詞を使用しないことです。「~が」や「~し」のように、そこで文を切って2文にしても意味が通じる接続詞は使用しない方が良いです。特に「~が」は順説と逆説の両方の意味があるので、ビジネス文書では避けるべき表現です。これをすることで、文が短くなり読みやすくなります。

 

⑥口語表現を避け、可能な限り簡潔に書く

 口語表現を避けて、可能な限り簡潔に書くことで読みやすい文章を構成しましょう。口語表現を用いると幼稚な印象を受けるだけでなく、文が冗長になることが多いです。簡潔に書くことを意識すると不要な表現が削除されていくので、読者も重要な情報をキャッチしやすくなります。具体的には、口語的表現に関し、熟語などで換言可能なものは、換言していきましょう。また、「~することができた。」は「~できた。」でも良いことが多いように不要な表現は割と自然に文章に潜んでいます。文章が完成したら少し休憩した後読み返してみて、より簡潔に書けないか推敲してみましょう。

 

以上のように、志望理由書を記載する際は、ビジネス文書のように相手が一読で意図を理解できるような記載をするべきです。

本記事で紹介した事項を意識して、何度も推敲することで志望理由書の完成度は高まると思いますので、参考にしていただければ幸いです。