【医学部学士編入】勉強法・志望校選択について

以前の記事で、目標の立て方についてご紹介しました。

目標を立てる際には「目的」から「目標」を設定することになります。

 

私は医学部学士編入試験で4校から合格を頂きましたが、TOEICは600点台、生物は未履修と、元が優れていたわけではありませんでした。

それでも合格をもぎ取れたのは、ビジネス本などから「勉強法」や「優先順位の付け方」を学んでいたからだと考えております。

 

そこで、医学部学士編入試験の勉強法について、志望校選択からまとめていこうと思います。

 

【目次】

 

 

①自分の学力を知る

まずは、自分の学力を知ることが重要になります。

医学部学士編入試験で重要になる科目は、英語、生命科学、物理、化学、統計です。

 

特に英語、生命科学はどの大学を受験する場合でも必要になります。

英語についてはTOEICTOEFLなどの外部試験を受験し、おおよその点数を把握しておく必要があります。

医学部学士編入試験を受験される方々の中で、合格者の多くはTOEICスコアが800点を超えていることが多いです。

自分のスコアを早めに知ることは、今後の受験戦略を立てる中でも非常に重要なことです。

 

受験から長く遠ざかっていた人ほど、この学力の把握が非常に重要になります。

 

 

②志望校を決める

医学部学士編入試験を行う上で重要なのは、できるだけ早く志望校を決めておくことです。

そのため、本来なら自分の学力が把握できたら、すぐにざっくりと志望校は定めておくべきです。

 

しかし、生命科学が未履修の方や、英語が苦手な方などは、そもそも自分がどの大学で合格可能性があるのかわからないと思いますので、ある程度勉強を行ってから、受験校の決定をすればよいと思います。

 

さて、では具体的な志望校の決め方をお話ししていきましょう。

志望校は以下の3ステップで決めるべきだと、私は考えています。

 

  1. 自分の医学部編入の目的や条件を明確にする。
  2. 自分のいきたい大学、受かりやすい大学を順位づけする。
  3. 2を1で決めた目的に照らし合わせ、優先的に受験する大学を決める。
  4. 受験スケジュールを考慮して、無理のない範囲で、できるだけ多くの大学を受験する。

 

詳しくみていきましょう。

 

1. 自分の医学部編入の目的や条件を明確にする。

まず行うべきは、自分が医学部編入する目的を明確にすることです。

なぜなら、医学部編入する目的が明確であれば、受験校がかなり選別されるからです。

 

具体的には、「どの医学部でも良いから、とにかく医師になりたい」、「医学部に入学して、

医学研究者になりたい」、「発展させたい分野があって、その分野の医学系の専門家になりたい」など、多様な目的があると思います。

 

また、大学卒業後の受験になるため、人によって様々な条件があるでしょう。

「子供がいるから、今の家から通える学校」、「将来は親のために地元に帰らないといけない」などです。

 

こういった目的と条件を明確にしておくと、「受験できない大学」や「受験しない方が良い大学

」が出てきます。

 

とにかくどこでも良いから医学部に入りたいのに、難関校の大阪大学東京医科歯科大学などを受験していても目的にはアンマッチです。

子供のために今の家から通える大学を受験しないといけないのに、練習目的以外で実家から遠い大学を受験しても、結局パワーの無駄遣いです。

 

そのため、自分が何をしたいのか、なぜ医師になりたいのかを明確にし、その目的を叶えられる大学を受験するようにするのが、最も効率的になるのです。

 

2. 自分のいきたい大学、受かりやすい大学を順位づけする。

次に、「自分の行きたい大学」と「受かりやすい大学」を5位くらいまで順位づけします。

この作業は主観的な考えで結構です。

 

「自分の行きたい大学」では、自分の学力を全く度外視して、純粋に行きたい大学を選びます。

旧帝大を優先する人もいるでしょうし、自分の家からの近さを優先する人もいるでしょう。

 

「受かりやすい大学」は自分の強みが活かせる大学だと認識してください。

得意科目の配点が高い、苦手科目の配点が低い、学科よりも面接を重視している、地元である等色々と考えられると思います。

そういった情報は河合塾KALSのガイダンスを受けたり、チューター制度を利用することで得られます。

これらは無料で実施できるので、KALSに入塾していない方も、実施を検討してみてはいかがでしょうか。

 

3. 2を1で決めた目的に照らし合わせ、優先的に受験する大学を決める。

2を明確にしたら、1で決めた、自分の医学部編入の目的と照らし合わせましょう。

 

もしあなたが医学部に入ることができれば、どの大学でも良いと考えるのなら、2で決めた「受かりやすい大学」を上から順に受けることが良いです。

また、自分が医師になる目的を叶えやすい大学があれば、その大学が第一志望になるでしょう。

 

これらを考慮して、優先的に受験すべき大学を決めておきます。

 

4. 受験スケジュールを考慮して、無理のない範囲で、できるだけ多くの大学を受験する。

しかし、医学部学士編入試験の採点基準はブラックボックス化されていることが多く、学力が十分あっても志望大学に合格できない場合もあります。

 

医学部学士編入試験は併願が可能なので、リスクヘッジとして、ご自身が可能な範囲で、できるだけ多くの医学部を受験することをおすすめします。

 

この時に、受験スケジュールを考慮しないで受験校を選択する人がいますが、それはお薦めしません。

受験日が被っていたり、連日の試験になると、疲れの影響で、持っている実力を発揮し切れない可能性があります。

また、十分に過去問対策を行えないまま、受験することになります。

 

少なくとも、3で優先順位の高かった大学については、連戦にならないように受験スケジュールを組むことをお勧めします。

 

受験時期は前年度の入試時期から大きくはずれないので、前年度の受験日を調べれば受験スケジュールは計画できます。

 

この、前年度の受験日についても、河合塾KALSのガイダンスに出席することで、知ることができます。

 

③効率的な学習を行う

受験校を選択したら、効率を重視して、学習を行いましょう。

 

目的を達成するための目標を考える時に、あまり皆さんが考えないのが、「効率的な勉強法」です。

手段を達成するために、時間効率を上げることは非常に重要なことですが、そこについて、あまり重要視していない人が多いと思います。

 

そこで、以下に効果的だと言われている勉強法を示しました。

知らないものがあれば、ぜひお試し下さい。

 

・アウトプット重視で勉強する

学習したことが定着するのは、覚えた内容を思い出そうとしているときです。

そのため、覚えたことをアウトプットすることが記憶の定着には重要になります。

具体的には、一度解いた問題を答えを見ないで再度解いてみたり、授業後に授業の内容を独り言で1~3分で説明してみる、などがあります。

授業後の確認問題や小テストも良いアウトプットにつながるので、そういった問題があればぜひ取り組みましょう。

 

・定期的に休憩をとる(仮眠は最強)

 東京大学の研究で、中高生に60分続けて英単語を暗記させたグループと15分英単語を暗記して5分休憩することを3回繰り返させたグループの結果が、後者の方が良かったことを示している。

このことから、勉強時には長時間続けて勉強するのではなく、定期的に休憩を挟んで勉強したほうが、長期記憶につながると考えられている。

15分ごとに休憩すると、さすがに問題などは解ききれないので、50~60分ごとに一度休憩を挟むのが現実だと考えられます。

休憩時には、5~10分の仮眠を挟むと、記憶の定着に良いと言われています。

 

・暗記は繰り返すことが重要(まとめノートはお勧めしない)

英単語暗記などで重要なのが、繰り返すことです。

英単語を書いて覚えようとする人がいますが、脳科学的には非効率です。

100単語を覚えたい場合、1単語1分かけて100単語を覚えるよりも、3~5分で100単語を覚えようとするのを、10回程度繰り返す方が記憶の定着が良いです。

 

・睡眠はしっかりとる

睡眠を削って勉強をする人がいますが、勉強に関して言えば、睡眠は削らないほうが記憶の定着は良いです。

ここに関しては、働きながら勉強する人は仕方ない部分もあるので、できるなら睡眠をしっ枯るるようにしておきましょう。

 

・夜暗記したことを朝復習する

暗記の鉄則として「寝る前に勉強したことは記憶が定着しやすい」というのがあります。

これはさらに、その内容を朝に復習すると記憶の定着が良くなります。

記憶は夜寝ている間に脳内で必要な情報とそうでない情報が選別され整理されています。

整理が終わった朝に、その記憶を引き出してやることで、より深い理解と定着が見込めます。

 

・タイムプレッシャーをかける

制限時間を決めて問題を解くと、集中力が上がり、勉強効率が上昇します。

スマホでストップウォッチ機能を使うと、他のアプリや通知に集中力を削がれてしまうので、100均などでストップウォッチを購入することがお勧めです。

 

スマホを近くに置かない

スマホを見えるところに置いているだけで勉強効率が低下すると言われております。

スマホは人の興味を引くように設計されているため、スマホを触ると、集中力が低下します。

スマホは勉強机から遠い場所に置くようにしましょう。

スマホの影響やより良い付き合い方は「スマホ脳」で詳しく解説されていますので、また解説していこうと思います。

 

 

 

・糖分や脂の多い食事を摂りすぎない

糖分や脂分の多い食事は胃腸の活動を活発化させ、眠りを誘います。

お昼の集中したい時間に眠くならないように、糖分や脂の多い食事、刺激の強い食事(カレー、ラーメン、牛丼、カップ麺など)を摂取する量を減らすことをお勧めします。

 

・人に教える

 アメリカ国立訓練研究所の研究によると、学習方法と平均学習定着率の関係は「ラーニングピラミッド」という図で表すことができます。

これによると、講義や読書では10%程度の記憶の定着率ですが、自ら体験したり、他の人に教えるという作業を行うと、75%~90%の記憶の定着率が見込めるようです。

この高学習定着率の方法をアクティブ・ラーニングと言いますが、こちらは近年文部科学省が推し進めようとしている学習方法ですので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。

career-ed-lab.mynavi.jp

 

科目別に記載すると、英語は以下のような勉強をお勧めします。

【英語】

英語の学習の順番は以下の順番がお勧めらしいです。

 

1. 単語

2. 文法

3. 英文解釈

4. 英文精読

5. 英文速読(音読)

 

まず、単語は必ず必要。

単語がわからないと何も読めません。

 

次に、文法を理解しましょう。

完璧に理解するというよりも、基本的な関係詞や不定詞、仮定法などについて理解すれば良いです。

 

次に、英文解釈を行います。

ここで、英文を実際に読むために必要な文法についても再度学習します。

 

次に、英文を区切りながら精読します。

SVOCや修飾語がどの語にかかっているかなどを理解して長文を読み進めていきます。

 

最後に、その英文精読を行った文章を速読します。

おすすめはシャドーイングすることです。

そのため、音声CDや音源のある英文を精読しておくことをお勧めします。

シャドーイング時には、英文を頭から理解して読んでいくことが大事です。

英文精読の際に、しっかりと文構造を理解がしていれば、繰り返し読むことで徐々に英文を前から読んでも、文構造を理解できると思います。

 

これを繰り返すことで、似た文構造の文章は読めるようになっていきます。

 

④過去問分析を行う

過去問分析は受験を検討する大学の過去問が入手可能な場合に行います。

大学によっては、資料請求をするともらえます。

 

過去問分析の際に意識することは以下の3点です。

 

  1. 出題範囲を把握する
  2. 得点配分を考える
  3. 時間配分を考える

 

まず、ざっくりと内容を確認し、出題範囲を把握します。

各科目の難易度はどの程度なのか、統計や化学の出題はあるのか、出題形式はどのような問題が多いのか、などを確認します。

これにより、過剰な勉強をやめたり、注力すべき範囲を把握することができます。

 

受験時期が近づいてきたら、今度はおおよそ何点を目指すかを検討します。

一般入試でも数学何問完答して、何問は部分点をとる、など戦略を立てると思います。

学士編入試験でもざっくりと計算しておくと、当日焦らなくてすみます。

 

その上で、直前期に実際にその問題を時間内に解けるか検証します。

もし解けない場合は、どのようにして点数を稼ぐかを検討します。

テストを解いていて、解答が間に合わないと感じてしまうと焦ってケアレスミス等につながります。

当日の焦りを解消するためにも、実際にテストにどの程度の時間を要するのか感触をつかんでおきましょう。

どうやっても間に合わないようであれば、受験当日も間に合わないと考えて、点数を稼ぐ箇所を決めておけば焦らずに着実に得点を稼ぐことができます。

 

⑤試験と同じ環境で勉強を行う

本命校などでは、試験日2週間前くらいから、試験日と同じ時間に同じ科目を勉強しておくと、当日集中力を高く受けることができます。

 

夜型の人などが朝型に変える必要がある場合は2週間以上前から取り組んでおきましょう。

ルーティーンを定着させるためには、少なくとも2週間かかると言われています。

 

 

 

上の文章は、あくまで私の個人的な意見ですので、あくまで参考として、ご参照ください。