自分の影響の輪の内側で行動する【7つの習慣】
(この記事は2022/03/20に更新しました。)
こんにちは。
ロシアがウクライナでの軍事作戦を決行してから3週間が立ちます。
こういった暗いニュースは私たちの心理的負担につながりますので、ニュースを見ることはほどほどにしてくださいね。
私がこうしたネガティブなニュースを見るときに意識していることがあります。
それが「自分の影響の輪に集中する」ということ。
この考え方は、私に大きな影響を与えてきた「7つの習慣」で知りました。
この概念はアドラー心理学に関する本など多くの本でも記載されています。
この考え方はメンタルが弱い人間が抑えておくべき考え方だと感じています。
そこで、今回は、この話を自分の経験を交えてお話ししようと思います。
【この記事のターゲット】
・世界の暗いニュースを見て、それに対し何もできない自分に落ち込んでしまう人
・人間関係の構築に疲れることが多い人
【目次】
自分の影響の輪に集中する
「7つの習慣」とは?
7つの習慣とは、スティーブン・R・コヴィー著の有名ビジネス本になります。
著者は多くのビジネス本に共通する内容を、7つピックアップし、紹介しています。
大きく分けて最初の3つの習慣は個人の「自立」のための習慣、そして後4、5、6個目の3つの習慣は、他者との相互作用のための習慣、そして最後の1つの習慣はそれを循環させるための習慣になっております。
この7つの習慣では、人格主義という概念に基づいて書かれており、人生哲学を説いています。
そのため、人生を生きづらく感じている人にとって、気づきの多い本であろうと考えております。
「影響の輪」という考え方
「7つの習慣」の中でよく、「影響の輪」と「関心の輪」という言葉が出てきます。
「影響の輪」とは、自分自身が影響を与えることができる範囲のことを言います。
他方、「関心の輪」とは、自分自身が影響を与えることができないものの、関心を持って注視している範囲のことを言います。
例えば、自分に好きな異性ができて、その方と交際したいと考えたとします。
その場合、その異性に対して、「好き」と伝えることは影響の輪の範囲にあるのですが、それに対して相手がどう思うか、どのように返答してくるかは関心の輪の範囲にあるということです。
当然、影響の輪よりも関心の輪の方が大きくなっています。
著者であるコヴィー氏は、この影響の輪に集中し、影響の輪をできるだけ大きくし、関心の輪を小さくすることで、影響の輪と関心の輪の大きさを近づけることが大切だと説いています。
そして、そのようにするためには、自分が大切にする理念(ミッション・ステートメント)をしっかりと定め、外界からの刺激に対して反応することを減らすことが大切だと考えています。
つまり順番としては、以下の通りです。
- 自分が大切にする理念(ミッション・ステートメント)を明らかにする
- 自分の理念に従い、自分の影響の輪のことに集中する(影響の輪が拡大する)
- 自分の理念に関係のない出来事に対して、反応することが減る(関心の輪が縮小する)
このような考え方は、アドラー心理学について説明している「嫌われる勇気」でも説明されています。
自分が影響を与えることができる範囲でしか、物事を考えないようにすること、これが非常に重要なのです。
見返りを求めない
影響の輪に集中するためには、自分の気持ちに正直に行動することが重要です。
なぜなら、自分が本当に「やりたい!」と思ったことでなければ、相手に対して見返りを求めてしまうからです。
つまり、「やってあげた」という感情は、結果的に相手に対する見返りを求めてしまい、相手の関心の輪に関与してしまうことになります。
だからこそ、自分が本当にやりたいと思うことをやって、それに対する見返りを求めないことが必要なのです。
そのためには、自分が何をやりたいのか理解する必要があります。
このために、自分の理念(ミッション・ステートメント)を明らかにすることが必要だということです。
これは、以前に紹介した「夢」や「目的」をはっきりとさせることと同じことです。
ぜひ以前の記事も参考にして、自分の理念や夢を見つけてください。
影響の輪の中で、大事なことに集中する
自分の理念(ミッション・ステートメント)が明らかになったら、次はその実現のために行動することが必要になりますね。
しかし、日々の生活では、忙しさのあまり、そういった作業ができないことがあると思います。
ここで重要なのは、日々起こる作業を「重要度」と「緊急度」で分けることです。
そしてこの中で、「重要で緊急性の高いもの」と「重要で緊急性の低いもの」に注力する必要があります。
一般的に、人は何も意識しない場合は「緊急度」の高い業務を行う傾向にあります。
これは、緊急性の高いものに反応し、こなしていけば、仕事をしているように見えるからです。
これは自己嫌悪が強い人ほど、それを好む傾向にあると考えられます。
自己嫌悪が強いと、そうした緊急性の高い業務を行うことで、他人の役に立っているように感じたり、自分の不足している部分を見つめなくてよくなるからです。
しかし、「緊急性が高く重要でない」ことに注力しすぎると、その仕事がどんどん増えてしまいます。
これは結局、自分で自分の仕事を増やしている状況に他なりません。
一方で、「緊急性が高く重要でない」ことの処理を最低限にとどめておくと、そうした仕事は減っていきます。
こうした業務は重要でないため、こなさなくても対して問題になりません。
「重要で緊急性の低いもの」に注力することは、緊急性が低いため意識しないとできません。
しかし、理想に向かうためにそうしたことに注力する時間を作ることは非常に重要です。
このことに注力できるようになると、自身の能力や環境が良い方向に向かい、影響の輪が大きくなるでしょう。
これにより、自分が過ごしやすい環境を作ることができるのです。
では、ロシア軍のウクライナ侵攻に対して自分ができることは何か?
上の考え方を踏まえた上で、自分が、ロシア軍のウクライナ侵攻に対して、何ができるのでしょうか。
①ニュースを見過ぎない
まずは自分の影響の輪に集中することです。
ウクライナ情勢に関するニュースは、一日中テレビやネットで見ることができますが、自分の関心の輪に従い、このニュースを追いかけることは精神衛生上よろしくありません。
一日の始まりにこうしたネガティブなニュースを見ると、その日、一日を不幸だったと報告する人が増えるという研究結果もあります。
しかし、日本のニュース番組では多くの時間をネガティブなニュースを届けることに使っています。
これは、ネガティブなニュースの方が、視聴率が上昇するからです。
そのため、ニュースを見過ぎることを避ける方が得策だと考えます。
私の場合は、昼にトレーニングをしながら見るか、夜の夕食前や皿洗い時だけ見るようにしています。
②自分にできることを考える
情報という刺激をある程度制御した上で、自分でできることを考えましょう。
大切なのは、「自分の影響の輪の中で考える」ということ。
日本人1人が生活の中で、影響を与えることは難しく思えるかもしれません。
ですが、現代はネットで世界中がつながっているため、意外と多くのことができます。
あなたがロシアやウクライナに関して正しい知識を持つことはもちろん、行動を起こすために必要なことでしょう。
また、SNSでの重要な記事をリツイートなどで拡散することも重要です。
行動しないことが最適解の場合もあるでしょう。
また、募金を行うことも、自分の影響の輪の中にある行動です。
募金をする行為自体は非常に簡単なことですが、「何もしていない人」から「できることはした人」になるだけで、自分の中で折り合いがつくようになります。
自分の影響の輪の中であっても、行動している場合は非常に気持ちが楽になります。
自分のためにも、世界のためにもなる。
こうしたWin-Winの関係になることが非常に重要です。
最後に
ぜひ、何かで自己嫌悪や悩みに陥ったら、自分の状況を整理して、自分の影響の輪を意識して、小さなことから行動する癖をつけてみてください。
自分の影響の輪に集中することを、突然行うことは難しいです。
ですので、ゆっくりとそういった考え方に慣れていければ結構だと思います。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
ストレスに対する対処法【疲労を数値化する②】
こんにちは!
前回の記事では、なぜムリをするのか、なぜストレスを溜め込むのか、と言うことについて、自分の経験を語っていきました。
今回は、ストレスを溜め込まず、ケアするために自分が行っていることを、いくつか紹介します。
今回紹介する方法は、大きく分けて、日常的な突発性のストレスに対する対応と、予定されているストレスへの対応に分けられるので、それぞれ順番に説明します。
日常的なストレスに対する対処法
①エモーショナル・スケーリング
日常の中にはストレスを感じるタイミングが多くあります。
「勉強をしていたら、コーヒーをこぼしてしまい、書いていたノートがぐちゃぐちゃになった。」
「課長に呼び出され、自分の担当でない業務を急に押し付けられた。」
「電車が遅延して、いつもよりも帰宅が1時間遅くなってしまった。」
これらのストレスを点数化することを、「エモーショナル・スケーリング」といい、感情をデータ化することで、ストレスを客観視するための方法です。
具体的な方法は以下の通りです。
1. 過去に経験した最も大きなストレスを一つあげ、10点満点の点数をつけておく。
2. 何かストレスを感じたら、そのストレスを10点満点中何点か評価する。
たったこれだけです。
これは単純に、ストレスを物差しで測ってみて、客観的に見ているだけですが、このように客観視することが重要になります。
人はストレスがかかっている状態だと冷静な判断ができなくなってしまいます。
そのため、実際のストレス値よりも大きな反応をしてしまい、しんどくなることが多々あります。
エモーショナル・スケーリングを行うと、自分が今どれくらいのストレスを受けているのかを客観的に確認することができるようになるため、そういった過剰反応を抑える効果が期待できます。
また、このスケーリングで8点や9点が出たら、相当大きなストレスがかかっていると理解することもできます。
この場合は、自分を守るために自分のストレスを下げる行動をしましょう。
あまりにも大きなストレスがずっとかかっていることは自分を壊してしまいます。
こういった方法は「マンガでわかる自己肯定感」で知ることができます。
自己肯定感を高めたい方にはおすすめの本です。
②事前に決めておいたストレス解消行動を実行する
次に、スケーリングしたストレス点が8~9点を出した場合の時を考えます。
自分を守るために、自分のストレスを下げる行動をすることは先ほどお話ししました。
ですが、ストレスが強くかかっているときに、何をしようか悩んでしまうと、選択するための意志力(ウィルパワー)を使用するので、さらにストレスがかかってしまいます。
また、2倍モードや3倍モードに入っている場合は、簡単に自分に優しい行動をすることができなくなっています。
(2倍モードや3倍モードについては前記事参照)
そこで、事前に、ストレスがたまった時に行う行動を決めておくことが重要です。
状況に応じてストレス解消を実行できるように、ストレス解消行動はいくつか用意しておくことをお勧めします。
そのストレス解消行動について、優先順位をつけておけば、実行時に悩むことはありません。
私の場合は、以下のように行動を決めていました。
- 行きつけの居酒屋に1人で行く
- 友達や同僚と話す
- コーラなど、冷たい炭酸飲料を買って、飲んで休憩する
- 料理をする
- 業務中などで上のことができないときは、少しだけその場で目を瞑る
これらを設定した上で、例えば仕事中に大きなストレスに見舞われた場合は、自販機にコーラを買いに行き、自分の席に戻らずに休憩所で少しだけコーラを飲んでから、戻るようにしていました。
そして、仕事が終わった後もそのストレスが解消されない場合は、行きつけの居酒屋に1人で行くか、同僚を誘ってご飯を食べたりしていました。
大したことはしていないように思いますが、大きなストレスがかかっているときは効果がありました。
大切なのは、何をするか「決めておく」ことです。
決めておくことで、実行までのハードルを下げることができ、スムーズにストレス解消を行うことができるからです。
予測できるストレスに対する対処法
次に、予測できるストレスに対する対処法をお話しします。
例えば、自分や家族が受験生の場合、12月~3月にはかなりのストレスがかかりますよね。
また、仕事に繁忙期がある方なら、その繁忙期には強いストレスがかかりますよね。
そういった予測できるストレスが重ならないように調整するための方法を以下に説明します。
①起こりうるライフイベントのストレス値を知る
まずは起こりうるライフイベントのストレスを知りましょう。
各ライフイベントによりかかるストレスを100点満点で点数付けをします。
これはホームズとレイが考案したライフイベント法というものになります。
点数付の詳細はこちらのリンクに記載されています。
(ライフイベント法とストレス度測定 : https://www.niph.go.jp/journal/data/42-3/199342030005.pdf)
この点数が300点を超えると、心身に何か影響をきたす可能性が非常に高くなると言われております。
この表が作成されたのは、1967年のため、今の時代にそぐわない箇所が多くあるかと思います。
そこで、この表にないものは、表を参考に、ご自身で決められることが良いと思います。
ここで注意すべきなのは、「クリスマス」や「結婚」、「休暇」などのように一見するとストレスを解消する楽しいイベントについても、ストレッサーになると言うことです。
テンションを上げるイベントは楽しいですが、テンションを上げるために心理的には負荷がかかっている状態になります。
特に結婚のように人生の大きな転換期にはさまざまなストレスに見舞われることになるでしょう。
そういった楽しいイベントも含めて得点化することが重要なのです。
②ライフイベントをカレンダーに書き込む
次に、起こりうるライフイベントについて、カレンダーに書き込んでいきましょう。
「引越し」「子供が高校へ進学」「転職」「繁忙期」「旅行」「介護」「結婚」「ライブ」「海外旅行」等書き込んでいってください。
そして、それぞれの点数をカレンダーに同様に書き込む。
すると、その時期の合計得点が計算できます。
その中で、異常に高い時期がある場合は対策が必要だと理解できます。
③ライフイベントを調節する
例えば、12月に息子の大学入試のサポートと親の介護、業務の繁忙期、クリスマスが重なっていたとします。
その場合、この時期には大きなストレスがかかることが予想されますので、その中で予定をずらせるものがないか、他人に頼れるものがないかを考えます。
この中であれば、親の介護についてヘルパーを活用する、クリスマスや正月の準備は宅配で済ませる、などです。
このように決めておけば、自分に過剰なストレスがかかることを避けられる上に、自分が対応すべき、重要なイベントに真摯に向き合えます。
息子のことが大事な人であれば、息子のサポートを第一に行いたいでしょうし、仕事が大事な人は、繁忙期に周囲に迷惑をかけることもなくなります。
ライフイベント法を用いることで、人生の質を高め、健康に日々を過ごす確率を上げてくれます。
より具体的に得点付の方法について知りたい方は、「自衛隊メンタル教官が教える 心の疲れを取る技術」をぜひご覧になってください。
ストレッサーに対する反応
また、上で紹介した論文に記載されておりますが、ストレスを与える要素のことを「ストレッサー」と言います。
ストレッサーに対し、身体は「ストレス反応」を起こすことで、ストレスに対抗します。
このストレス反応は人によって大きさが異なるので、ストレスに強い、弱いが現れます。
このストレスに対する対処について、「HAPPY STRESS」という本では脳科学的に論じています。
またその話も今後、詳しく記していこうと思います。
いかがだったでしょうか。
これらを実践することで、不安の軽減が見られると嬉しく思います!
なぜムリをしてしまうのか【疲労の数値化①】
(この記事は2022/3/19に更新しております。)
こんにちは!
YouTubeやtwitterを見過ぎて、定期的に目の前のことに集中できないような状態になるHKamです。
SNSを頻繁に見ると、集中力が下がって、外出する気力が低下する気がします。
これは、ベストセラー「スマホ脳」にも書いている内容で、SNSを見ていると、脳はマルチタスクを行なっているのと同じ状況になっており、集中力や気力が失われていくそうです。
また、仕事が忙しすぎる時にも同じようなことが起こります。
「最近仕事忙しすぎて、周りの人にキツく当たってしまっている・・・。」
「仕事で結果が出ない焦りから、残業を厭わずに行っていたら、逆に能率が低下した・・・。」
みなさんも、上記のように、疲れが溜まって集中力が下がったり、自己嫌悪に陥りやすくなること、ありませんか?
そこで、そのような目に見えない疲れを溜めないために、なぜムリをしてしまうのか、そして溜まってしまう心の疲れやストレスを数値化して緩和させる方法を2回の記事にわたってお伝えしようと思います。
今回は前半として、なぜムリをしてしまうのか、という原因について、自分の経験をもとに書いていこうと思います。
【今回の記事のターゲット】
・日々の生活でストレスがかかり、気分が晴れなくなることがある人
・自分に厳しくなりすぎて、ストレスが溜まってしまう人
・よくムリをしてしまい、体調を崩してしまう人
ムリをためるとどうなるか?
まず身体的・精神的なムリを溜め込んでしまうとどうなるのでしょうか。
簡単にいうと、性格が変わってしまいます。
「真面目で人懐っこかったあの人が、急に表情が乏しくなってしまった。」
「とても優しかった人が、ちょっとしたことで不機嫌になってしまうようになった。」
こんなことを感じたら、性格が変わってきている状態です。
「自衛隊メンタル教官が教える 心の疲れをとる技術」の著者である下園さんは本書で、精神状態は3段階に分類することができると、説明しております。
3段階の分け方は以下の通り。
第1段階 : 普通の過労状態(1倍モード)
第2段階 : 別人化の始まり(2倍モード)
第3段階 : 別人化(3倍モード)
ここで、気になるのは○倍モードというものですよね。
これは、同じストレスを受けた時に感じる疲労が○倍になり、回復に要する時間も○倍になるというものです。
つまり、第2段階の2倍モードに入ってしまうと、普段受けるストレスが通常の2倍の強さのストレスに感じられてしまうということです。
実際、私は大学院生の時、研究がうまくいかなかったために、第2~3段階あたりの精神状態だったのですが、求めていた結果が出なかった時に、泣き出しそうになったり、準備していた備品を壊してしまったりすることがありました。
ストレスに精神を支配されているので、集中力も下がり、一日中身体はだるい状態でした。
結局、良い結果は何も得られずに大学院での生活を終えてしまいました。
厚生労働省のサイトで、うつ病を説明するページがありますが、そのページの症状が現れ始めている状態が、いわゆる、第2段階から第3段階にいる状態です。
ムリをためる原因は?
ではどのようにすれば、ムリを溜め込まないようにできるのか。
それをお話しするために、ムリを溜めてしまう原因を考えましょう。
具体的に、私がムリを溜めてしまった原因を大きく2つ紹介します。
①頑張る自分が好きだった
頑張る自分が好きだったことが最も大きい原因でした。
頑張る自分が好きだというのは、つまり努力するのが好きだということで、一見良い性格のように見えます。
しかし、頑張ることが好きなため、効率良い方法を模索せずに、周りに言われたことを全て努力でこなそうとしてしまいました。
その結果、大学院に入り、研究、講義、後輩指導、バイト、など全てに全力投球してしまい、結果として全てが中途半端になってしまう結果になってしまいました。
②完璧主義
また、完璧主義であることも自分の精神に負担をかけてしまいました。
各作業を完璧にこなしたいがために、睡眠時間や自分の遊び時間などを削っていました。
毎日終電近くまで残って実験していたし、週に1回は研究室に泊まり込みで実験をしていました。
それでも潰れない人はいますが、人によってストレス耐性は違います。
僕はある日を境に、慢性的な頭痛に悩まされるようになってしまいました。
完璧主義の悪いところは、提出されるアウトプットを完璧にすることができないということです。
そのため、本当に自立している人は、他人と協働して、成果を効率よく出しています。
結局、完璧主義で良かったことはなかったと自覚しています。
これらの特性をまとめると、「優等生であろうとした」ことが問題だったと思います。
「自衛隊メンタル教官が教える 心の疲れをとる技術」ではこれを「子供の心の強さ」と表現しています。
親や先生から、目標を設定され、その目標に向かって努力するということを良いこととされる子供の努力の仕方です。
「この努力の仕方ではいけない」と大学生になっても気づくことができなかったことが、自分を苦しめたと考えています。
今は、「7つの習慣」や「嫌われる勇気」などに出てくる、「自分が影響を与えることができることに集中する」という考え方と、「エッセンシャル思考」などに出てくる「パレートの法則」を意識して、優先順位を付け、作業ができるようになっているので、同様の悩みに陥ることは少なくなっています。
ムリをためる人はなぜそのような行動をとるのか
では、そのような行動はどのように動機付けされているのでしょうか。
私の場合は大きく2点あります。
①自己嫌悪が強く、努力をせずにいられない
私は自己嫌悪が強く、自分の欠点を過剰に恥じ、集団の中ではその欠点を隠すように行動してきました。
そのため、他の人よりも研究の進捗が遅い場合は、他人が帰った後に作業をすることで、自分を安心させていました。
自分が安心するための行動なので、他人から「そんなに頑張らなくても良いよ」と言われても、頑張ります。
それが自分を安心させるものであるし、努力すること自体は、これまで親や先生に推奨されてきた方法だからです。
しかし、そのような自己嫌悪を埋める作業は、焦点が「努力すること」にあるので、成果にはつながらないことが多いです。
無駄なデータの整理、確認のための実験、みんなが読まない教科書を読む、など行わなくても良いことを行うことが多かったです。
結果的に、このようなやり方だと結果が出ないことに早くに気づけました。
今は考え方を変えようと努力することができており、これで良かったのだと自分では認識しています。
自己嫌悪に関して、より深く知りたい方は、『あなたが生きづらいのは「自己嫌悪」のせいである。他人に支配されず、自由に生きる技術』を読まれると良いと思います。
②ずっとその方法でうまくいってきたから
小学校、中学校、高校、大学と、ずっとその方法でうまくいってきたから、「子供の心の強さ」を持ち続けていても問題がなかったということもあります。
人は、過去の成功体験にある程度は縛られるものです。
能力の高い人は、大学や大学院でも純粋な「子供の心の強さ」で世の中に出るかもしれません。
しかし、社会に出てからは、そういった純粋な努力だけではうまくいかないことが多くなります。
求められる能力が子供の時と大人の時で違うことが、メンタルの不調に影響してきていると考えることもできるかもしれません。
ここまでは、なぜムリをしてしまうのか、その原因について考えてきました。
ムリをしてしまう原因が「子供の心の強さ」や「自己嫌悪」にある場合は、それを自覚することが、精神的安定の近道だと考えております。
これは「7つの習慣」で言う「自立」であると私は考えており、現在、そのような行動原則で行動を行っております。
現在、ストレスで悩まされる回数も減ってきています。
「7つの習慣」に関する記事は今後書いていきます。
次回の記事では、これらのストレスを感じてしまった時に、どのように対処すると良いのかについて書いていきます。
目標の立て方
目標の立て方
(この記事は2022年3月19日に更新したものです)
自分の夢や目的に沿った行動ができているのか、不安になってしまうことありませんか?
そもそも「自分には夢なんてない」と思っている人も多いでしょう。
私自身も、仕事をやめて、自分を見つめ直す時間を作るまで、中々そういったことを考える余裕もありませんでした。
ただ、夢や目標について正しい認識を持ち、具体的に夢について考えてみると、自分の行動軸が定まって、少し生きやすくなった実感があります。
そこで、今回は自分が目指す夢、目的を叶えるための目標設定の立て方についてご紹介していきます。
【この記事のターゲット】
・自分の考える夢はあるけれど、夢を叶えるためのロードマップを考えることができない人
・自分の夢が何なのかわからない人
・夢なんてもったことがないという人
・なりたいものもやりたい事もない人
①「夢」を大きく設定しすぎて動けないあなたへ
①-1「夢」の言葉の意味を知ろう
みなさんは、「夢」がどういった意味の言葉かご存知でしょうか。
一度、この言葉の意味を思い浮かべてみてください。
ちなみに、ここでいう「夢」は眠っている時にみるものではないのでご注意ください。
思い浮かべましたか?
では、確認していきましょう。
「夢」について、goo辞書で検索してみました。(https://dictionary.goo.ne.jp/word/夢_%28ゆめ%29/)
すると一番上に、眠っている時にみる夢の説明が出てきます。
その下には以下のような説明文があります。
――――――――――――――――――
2. 将来実現させたいと思っている事柄。
3. 現実から離れた空想や新しい考え。
――――――――――――――――――
多くの方は、この3の「現実から離れた空想や新しい考え。」を思い浮かべたかと思います。
これは、子供の時から「壮大な夢を持たなければならない。」というような周囲の圧力が原因だったりします。
保育園や幼稚園、小学生低学年の時は、純粋に「お花屋さんをやりたい。」「忍者になりたい。」みたいな感じで自分が本当になりたいものを思い浮かべることができたかもしれません。
しかし、大きくなってくると周りの大人に「もっとちゃんとした夢を持ちなさい。」とか、「お花屋さんで食べていけるのか。公務員が安定していて良いよ。」などと、夢の否定をされてしまいます。
その結果、他人に夢を話すことを躊躇するようになり、夢を尊大で手の届かないもののように感じてしまうのだと思います。
しかし、実際の「夢」という言葉は「将来実現させたいと思っている事柄。」という比較的現実的な意味を有しています。
別に、夢を語るときに今までのように気張って話さなくて良いのです。
あなたが実現させたいと思っている事柄を話せば良いのです。
「夢」は他人と比較するものではありません。
その人が先の未来のことを思って、心から叶えたいと思うこと、それが「夢」で良いのです。
①-2心から叶えたいことがない人はどうすれば良いのか。
しかし、このように「心から叶えたいこと」と定義づけてしまうと、「そんなものないよ・・・」と困ってしまう方も多いかと思います。
私もそうでした。
その場合は、まずやりたいことを夢にしちゃいましょう。
簡単にいうと、「死ぬまでに実現したい100のこと」をリスト化しておくことで、いくつかの夢が見つけることができると思います。
これは、自分が死ぬという人生の終点を意識した上で、どのような人たちに見送ってもらいたいか、どのような人たちに影響を与えていたいか、ということを意識することにつながります。
この考え方は「7つの習慣」でも取り上げられています。
このように終点から考えると、逆算的に目標を立てることもできるのでとても良い方法です。
ただ、「死ぬまでに実現したい100のこと」を考えるのも億劫だという人もいるでしょう。
その場合は、「今から3ヶ月以内にやりたいことリスト」を10個でいいので紙に書いてみましょう。
3ヶ月くらいなので、壮大なことはイメージできません。
また、やりたいことも別に大したことを考えなくて良いです。
「沖縄に旅行したい」「近所にできた新しいカレー屋に行きたい」「部屋を大掃除したい」「今話題の映画を見たい」「一日中散歩して、ぼーっとする日を作りたい」「ずっと読みたいと思っていたあの本を読んでみたい」「暖かくなってきたので、新しい服を買いに行きたい」「『イカゲーム』を今更ながら観たい」「海辺にドライブしたい」「最近連絡していない、あの友達に会いたい」「新作のゲームを一日中プレイしたい」・・・
こんな感じでしょうか。
これも十分「夢」なんです。
あなたがプリンが好きだとしましょう。
その場合、美味しいプリンを売っている店にプリンを食べに行きたいと思うかもしれません。
バケツプリンを作って食べてみたいと思うかもしれません。
これらのことでも、あなたが「心から叶えたい」と思ったら、それは「夢」なんです。
「夢」なんてない、と思っていると人生しんどくなることがありますが、こんな感じで手軽な夢をちょこちょこ叶えるのも素晴らしい人生です。
この考え方は「人は他人 異なる思考を楽しむ工夫 さわぐちけいすけ 著」で読みやすい漫画で紹介されております。
①-3 ちょこちょこ叶える夢に意味があるのか?
でも、こんなことをして意味があるか?と思われる方も多いでしょう。
大丈夫です。
意味があります。
最近ではビジネスにおいても、この「ちょこちょこ夢を叶える能力」が注目されています。
ビズネスではこの能力のことを「セレンディピティ」と言います。
セレンディピティ(Serendipity)とは、「思わぬものを偶然に発見する能力」、「偶然の産物」という意味です。
こういった偶然の産物や幸運を見つける能力は、多様なことに興味を持ち、行動量を増やすことに伴い、視野が拡がることで鍛えられます。
夢を大きく捉えすぎると、その夢を叶えるための行動が鈍くなってしまい、結局何も行動できなくなったり、動いていたとしても、行動量が減少してしまいます。
ちょこちょこと夢を叶えることに慣れておくと、何かしたいと思った時に、行動に移すハードルが下がります。
また、上のように、好きなことやちょっとやってみたいことをベースに夢を設定すると、行動するハードルがさらに下がります。
一見くだらなく見える多様な刺激は、あなたの視野を広げ、自分が何を好きで、何が嫌いなのかを気づかせてくれるでしょう。
そのようにして、世界や自分のことを深く知ることは、将来的に幸運を見つける力につながるのです。
セレンディピティについて気になる方は、「セレンディピティ 点をつなぐ力」を読むと良いでしょう。
②「目標」の意味を考えてみよう。
「夢」の言葉の定義は「将来実現させたいと思っている事柄。」であり、あまり大きな夢を設定しなくて良い、ということをここまで話してきました。
ここで気になるのが、「夢と目標の違いって何?」ということだと思います。
日々、仕事や学業において、目標を立て、その目標の達成に向かって努力することを推奨されるかとも思います。
そこで、「目標」について考えてみましょう。
一度、この言葉の意味を思い浮かべてみてください。
思い浮かべましたか?
では、確認していきましょう。
「目標」について、goo辞書で検索してみました。(https://dictionary.goo.ne.jp/word/目標/#jn-218976)
そこには以下の通り書かれております。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
- そこに行き着くように、またそこから外れないように目印とするもの。
- 射撃・攻撃などの対象。
- 行動を進めるにあたって、実現・達成を目指す水準。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
では「目的」はどうでしょうか。
「目標」について、goo辞書で検索してみました。(https://dictionary.goo.ne.jp/word/目的/#jn-218942)
そこには以下の通り書かれております。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――-
- 実現しようとして目指す事柄。行動の狙い。
- 倫理学で、理性ないし意志が、行為に先立って行為を規定し、方向付けるもの。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
いかがでしょうか。
ここでお話ししたいのは、「目標」と「目的」の関係です。
「目標」は、ある目的地や達成したい理想が前提としてあり、その目的地や理想を達成するために設定する目印のことです。
一方、「目的」は実現しようとして目指す事柄、つまり自分が目指す方向性を示しています。
なんか、こう書くと「夢」と「目的」が混同してしまうのですが、「夢」はあくまで「自分が心から叶えたい事柄」であり、「目的」は「その夢を実現しようとして目指す事柄」だと私は考えています。
ここについては、そこまで具体的に考えなくても良いと思っています。
ただ、何より重要なのは、「夢」や「目的」があって初めて、「目標」が立てられるということです。
それなのに、世の中には「夢」や「目的」のない「目標」が溢れています。
例えば、営業のノルマ(目標)として、案件を月に10件獲得するというものを掲げるとします。
しかし、このノルマがなぜ必要なのか、それを達成する「目的」が何なのか、を自分の中で持っていなければ、やる気が出るはずがありません。
こういった他人から与えられる目標は、自分がその目標に意味づけを行わない限り、本来の意味での目標とはならないのです。
いかがでしたでしょうか。
なかなか行動に踏み切れない人の心理として、「夢」を大きいものにしすぎている、ということがあると思います。
具体的な目標の立て方は、また別の記事で書こうと思いますが、「やりたいと思った小さな夢を叶えること」はとても大切だということを理解いただければ幸いです。
また、やりたいことがない人でも自分の好きなことや行きたいところなどを参考に、この3ヶ月の間にやりたいことを探してみれば、いくつか「夢」を見つけることができると思います。
本記事の詳しい内容は「ザ・コーチ」に記載してありますので、ぜひこちらもご参照ください。
ありがとうございました。
【医学部学士編入】薬学部出身の方が医学部学士編入の志望理由を考える際の注意点
薬学部出身の方が医学部学士編入の志望理由を考える際の注意点について、考える機会がありました。そこで考えた内容を以下にまとめましたので、ご参考になってください。
医学部学士編入試験における差別化の重要性
医学部学士編入試験の最もメジャー学部と言われております。大学で学習している項目が医学部学士編入試験で必要な科目に近く、かつ医療現場での裁量権が薬剤師よりも医師の方が多いために、医師を志す方が多いようです。そのため、面接における他の薬学部出身者との差別化を行うことが重要になります。
志望理由書による差別化には、志望理由や将来の医師像による差別化と、受験者本人のスペックによる差別化があると考えております。薬学部出身の方において、この2点をさらに分類すると、前者では「薬剤師・薬学部での経験」や「医師になり実現したいこと」が挙げられるでしょう。後者では「薬剤師としての経験」はもちろん、「研究経歴」、「スキル」、「課外活動(社会活動、学生団体、部活、バイト等)」が挙げられるでしょう。これらについてそれぞれ見ていきましょう。
差別化を行うために意識するべき点
1. 志望理由や将来の医師像による差別化
1.1 医師志望理由
医師志望理由は差別化にならないと考えていない方もいらっしゃるかもしれません。しかし医学部学士編入試験において、自分が医師になる必要性を論理的に論じることができる人は意外に多くありません。特に、薬剤師は医師と同じように患者を相手に業務を行っているため、他業種と比較して医師になる必然性を説くのが難しいです。そのため、自分がやりたいことは医師にならないとできない、というロジックで話を進める必要があります。ただし、この際も医師に対する下克上のような印象にならないようにだけ注意が必要です。学生であれば、特別な専門性を持たない人も多いと思われます。その場合、こういった志望理由の論理性を見られることが多いと思われますので、この部分の確認はしっかりと行いましょう。
1.2 将来の医師像
医師となった際にどのようなことをしたいのかを、具体的に論じることができれば、他者との差別化につながります。薬学部出身の方の多くは「薬学の知識を活かし、薬に詳しく、適切な処方を行う医師になる。」ということをイメージされるかもしれません。しかし薬剤師と医師のダブルライセンスは需要があるのかと言われると、多職種連携が叫ばれている昨今の医療業界ではそこまで価値がないのかもしれません(こちらの記事ではそのようなことが言われております→https://kusuripro.com/doctor-pharmacist-doublelicense/)。
しかし、医師と異なる目線で医療を行ってきたことは、薬剤師の強みである、と私は考えております。その視点から、具体的な理想の医師像を考えることができれば、面接官の納得を得やすいでしょう。薬剤師の方々は現場を知っているという点で、他学部に比べて一つ有利であると考えてもらって良いと思います。その強みを活かしてきましょう。
また、研究系に進む場合は薬剤師という点が強みになると思います。上述の通り、医師と異なる視点や知識を持っているため、薬剤開発や医療体制の改善などに介入する際のメリットも大きいでしょう。研究系に進むことを考えている場合は、説得力をもたせやすいと考えられます。
2. 受験者のスペックによる差別化
次に、受験者本人のスペックによる差別化を話します。薬剤師内で差別化をはかる場合、薬剤師である点以外にも、面接で話せる強みを持っておくことが必要です。ここで考えられる強みに「薬剤師としての業務経験」、「研究」、「スキル」、「課外活動」などが挙げられます。順番に考えましょう。
2-1. 薬剤師としての業務経験
薬剤師としての業務経験の中で得たものがあれば、それを専門性として記述することもできるでしょう。ただし、どういった場所で、どういった方に、どういった業務を行っていたのか、そこで何を感じ、何を得たのかをまとめる必要があります。単純に「薬剤師として働く中で、他職種で連携するコミュニケーション能力を得た」などと記載してしまうと、薬剤師である必要性がなく十分な差別化ができません。面接で詳しく話すためにそのように記載しても良いですが、差別化の観点から考えると、もう少し具体性を持たせる必要があるので注意しましょう。
2-2. 研究経歴
研究に関しては、研究そのものの専門性が高く、医学との親和性が高いほど印象が良いと考えられます。しかし、研究していた期間が短すぎて専門性を得たとは言い難い場合や、そもそも医学との親和性が低い研究テーマを扱っている場合もあると思います。その場合、研究を行うことによって、自分がどのように成長したか、ということによって他者との差別化をすることができるでしょう。ただし、第三者的に証明できるものではないので、そのように論じた強みは説得力は弱いことに注意しましょう。可能ならそういった強みは志望理由書に書かず、推薦書に書いてもらうように教授等にお願いした方が良いです。
2-3. スキル
説得力のある強みの代表例はご自身の持つ「スキル」です。特に、TOEICやTOEFLのスコア、研究の実績など第三者的に納得させられるものがあると強いです。特に英語力や研究経験などは、医学部でも活きてくる能力なので良い印象を与えることができるでしょう。
2-4. 課外活動
最後に「課外活動」で得た能力を述べることができます。課外活動といってもさまざまで、社会人経験や学校生活以外のことであれば何でも良いです。一般的な学生であれば、部活やバイトで得た能力なども記載できるかと思います。
これらを記載する上で重要なことは、そこで得た強みが医療に活かせることだということです。例えば課外活動で「行動力」を得ることができた、と記載する場合、「行動力」が自分の将来の医師としての目標にどのように良い影響を与えるのか、それにより医学・医療にどのように貢献できるのかを説明する必要があります。この作業が意外とできていない人が多いです。自分の強みがどのように相手の求めるメリットにつながるか、を述べることはビジネスにおけるプレゼンにおいて重要です。自分の強みがどのように医学に活かせるかを相手に任せることは非常に損なので、「どのように医学に生かすか」という点まで考えておくようにしましょう。
3. 注意点
ちなみに、医療従事者の志望理由で注意しないといけないのが、「医師批判になっていないか」という点です。面接官も医師である可能性が高いので、明らかな医師批判になってしまわないように注意を払いながら資料作成に臨みましょう。
以上になります。ご参考になれば幸いです。
【医学部学士編入】志望理由書の書き方
医学部学士編入の際の経験を踏まえて、医学部学士編入の志望理由書を書く際のポイントをいかにまとめました。
今回は文章の書き方についてまとめているので、医学部学士編入試験に限らず、あらゆる志望理由書に応用できる話だと考えております。
- 【文書を書く時の考え方】
- 【文書の書き方】
- ①文章(志望理由書)の文頭には重要な情報をまとめて書く
- ②段落1つにトピックは1つ
- ③段落の始めはそのトピックの要約文を書く
- ④専門性の高いものほど、丁寧に記載する(無理なら記載しない)
- ⑤1つの文章では1つのポイントだけを述べる
- ⑥口語表現を避け、可能な限り簡潔に書く
【文章を書くときの考え方】
【文章の書き方】
【文書を書く時の考え方】
①「読ませない」文章を書く
ビジネス文書などは「相手が情報伝達のために仕方なく読んでいる文章」という意識を持ちましょう。人によって必要な情報は異なるので、どのように整理された文章でも不要な情報が入るものです。そのため、極力読ませずに理解してもらえる文章を心がけるべきです。とはいえ、志望理由書などのフォーマットの定まった文書でできることは限られています。その中で重要なことは一読で文章を理解してもらえる文章を書くことです。そのために重要なポイントは「理解しやすい文構造で」「わかりやすい表現を用いて」「文章を簡潔に書く」ことです。理路整然と書かれた文章は読まなくても知性を感じ取ることができます。その水準を目指しましょう。
【文書の書き方】
①文章(志望理由書)の文頭には重要な情報をまとめて書く
文章の文頭は全ての人が読む場所です。そこに文章で重要な情報を具体的に簡潔に記載することで、読者はメンタルモデル(その文章に対するイメージ)を作ることができます。これにより、読者は素早く文章全体の内容を理解することができるようになります。文頭の1文は大学が提示している設問に回答する形になっていると、読み手としても理解しやすくなるでしょう。志望理由書はビジネス文書の一種なので、結論ファーストが求められるのです。
②段落1つにトピックは1つ
段落ごとに伝えたいトピックを1つに定めるようにしましょう。志望理由書では主に「医師を志すようになった経緯」「ご自身の強み」「強みをどのように医療に活かすか」「どのような医師になりたいのか」などのトピックが必要になるでしょう。大学側の設問やご自身の経歴により、この内容や重みは変化します。これらのトピックが同じ段落内に混在していると、読者はその段落で言いたいことが読み取りにくくなります。段落が長すぎる場合は下位概念を用いて段落を分けましょう。例としては、自身の強みを記載する時に、強みが複数あるのなら、その強みごとに段落を分ける、ということが挙げられます。
(※正確には「段落」ではなく、「パラグラフ」と記載するべきですが、わかりやすくするために変更しております。)
③段落の始めはそのトピックの要約文を書く
段落の始めの文ではそのトピックの要約文を簡潔に記載しましょう。①と同じ理由で、読者がメンタルモデルを作りやすくなります。ただし、最大文字数が小さい場合などは、全ての段落でこれを行うのが難しい場合もあります。臨機応変に対応しましょう。ただし、①は厳守すべきなので注意しましょう。①~③がうまく行えている文章は、各段落の1~2文目をつないで読めば、全体の意味がわかるようになっています。
④専門性の高いものほど、丁寧に記載する(無理なら記載しない)
文章で説明が必要なものはこれまでに出てきた情報と合わせて記載しましょう。未知の情報が溢れた文章は読者にとって非常にストレスになります。一般の人が知らないような専門性の高い言葉は丁寧に説明するようにしましょう。ただし、読み手がどのような人かを意識することは非常に重要です。医学部学士編入試験であれば、面接官はおそらく医学部の教授等、医学に精通している方々でしょう。そのため、医療に関係することに関して、懇切丁寧に記載することは、逆に冗長だと感じさせてしまう可能性もあるので、読み手を意識した記載を心がけると良いでしょう。
⑤1つの文章では1つのポイントだけを述べる
1つの文章では1つのポイントだけを述べ、簡潔で読みやすい文章の作成を心がけましょう。1つの文章に複数のポイントが存在すると、何が言いたいのかはっきりしなくなり、文章も長くなってしまいます。ポイントは不要な接続詞を使用しないことです。「~が」や「~し」のように、そこで文を切って2文にしても意味が通じる接続詞は使用しない方が良いです。特に「~が」は順説と逆説の両方の意味があるので、ビジネス文書では避けるべき表現です。これをすることで、文が短くなり読みやすくなります。
⑥口語表現を避け、可能な限り簡潔に書く
口語表現を避けて、可能な限り簡潔に書くことで読みやすい文章を構成しましょう。口語表現を用いると幼稚な印象を受けるだけでなく、文が冗長になることが多いです。簡潔に書くことを意識すると不要な表現が削除されていくので、読者も重要な情報をキャッチしやすくなります。具体的には、口語的表現に関し、熟語などで換言可能なものは、換言していきましょう。また、「~することができた。」は「~できた。」でも良いことが多いように不要な表現は割と自然に文章に潜んでいます。文章が完成したら少し休憩した後読み返してみて、より簡潔に書けないか推敲してみましょう。
以上のように、志望理由書を記載する際は、ビジネス文書のように相手が一読で意図を理解できるような記載をするべきです。
本記事で紹介した事項を意識して、何度も推敲することで志望理由書の完成度は高まると思いますので、参考にしていただければ幸いです。